農福連携のお試し体験 宇都宮で開催
障害者支援施設「とちぎセルプセンター」は29日、栃木県の委託を受け障害者が農作業に従事する「農福連携」を体験してもらうインターンシップを開いた。ナシなどを栽培する山口果樹園(宇都宮市)で、5つの福祉施設職員らが参加した。県はインターンを契機に、農福連携に取り組む施設を増やしたい考えだ。
参加者はコンテナの洗浄やカボチャをタオルで拭く作業などを行った。初めて参加したある施設は普段利用者が弁当を販売しているが、利用者が新たに働く場として農福連携に関心を持ったという。「楽しく作業できて新鮮だった」(職員)
同センターは農作業を委託したい生産者と福祉施設をマッチングする事業を2018年度から行っている。18年度は24件、19年度は34件の契約が成立した。インターンは19年度に開始し、20年度はあと2回開催する。
同センターの吉沢利明さんは「障害者ができる作業の理解が進んでおらず、農家のニーズを満たせていない」と話す。同園で約8年農作業をするハート飛山(同市)の仲山奉幸さんは農福連携を続けるには「誰がどの作業に適しているかという職員の判断、農家との対話が大切」とした。
(出典)日本経済新聞 2020年7月29日
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